Go Proに限らず、カメラの設定はオートのままでも綺麗な映像で撮影できますが、設定の意味を理解し、設定できるようになると、撮影をより楽しむ事ができます。
表示など機器によって違いはありますが、基本は同じです。設定の基本部分とGoProならではの設定を覚えて、こだわりの映像を撮影できるようになりましょう。
今回はGo Pro HERO7 Blackの操作をしながら、基本設定をみていきたいと思います。
アスペスト比・解像度・フレームレートの設定
本体の一番最初の「RES|FPS」という項目で、「アスペスト比・解像度・フレーム/秒」を設定できます。
アスペスト比とは?
アスペスト比というのは、画面の縦横の比率の事を指します。普段の生活では、「4:3」「16:9」の2種類をよく目にしていると思います。Go Pro本体では、画面右上に四角で囲まれている数字の部分をタップすると、「4:3」と「16:9」の切り替えができます。
「4:3」はスタンダードと呼ばれ、昔のアナログテレビやVHSビデオの画面サイズです。正方形より少し横長で、コンパクトデジカメで撮影した写真にも使用されています。
「16:9」はワイドと呼ばれ、地デジ放送の画面サイズです。YouTube画面と同じ比率でもあります。撮影した映像をYouTube投稿やブルーレイ・DVDにしようと予定している場合は、16:9で撮影しておけば間違いないでしょう。
解像度とは?
解像度は、「画面が何個の点でできているか」を表す数字です。簡単に説明すると数字が大きい程、点が多く綺麗が映像で、数字が小さい程荒くなります。
「4Kテレビは画面が綺麗」というのはご存知ですよね。Go Proでは、選択中のアスペスト比によって選べる画素数が変わり、「4:3」は4K→2.7K→1440→960、「16:9」は4K→2.7K→1080→720と、選ぶ事ができます。
数字が大きいほど綺麗な映像で撮影できますがデータ量も大きくなり、数字が少ないほど荒い映像になり、その分データ量が減ります。
FPS(フレームレート)とは?
FPS(フレーム/秒)は、フレームレートと呼ばれ「1秒に何コマ撮影しているか」を数字で表しています。パラパラ漫画を思い浮かべてみてください。10枚で書いたものより、20枚で書いたイラストの方が、滑らかに動きを表現できるのは想像できますよね。
数字が大きいほど動きは滑らかになりますがデータ量も大きくなり、数字が少なくなるとカクカクとした動きになりますが、その分データ量が減ります。大きければ良い訳ではなく、撮影したいシーンに適した数値で設定する事が大切です。
60fpsは、高フレームレートと呼ばれるコマ数になり、スピードのある映像や、撮影したものを編集でスローモーションで使いたい場合などの撮影に向いています。
30fpsは、低フレームレートと呼ばれるコマ数になり、通常からゆっくりとしたスピードの映像や、全体的な照明が暗い場所での撮影で使用すると良いでしょう。暗い場所の撮影は光の量が足りず映像がブレやすくなるので、Auto Low Light(自動光量調整)を設定しておくと安心です。
迷ったら「16:9、1080、30fps」に設定
街歩きや、生活の延長線で撮影をする場合は、アスペスト比16:9、解像度1080、フレーム/秒30fpsに設定しておけば、ひとまず失敗ないでしょう。
解像度とフレームレートは、共に数字が大きいほど綺麗な映像で記録できますが、比例してデータ量が増えてしまいます。データ量を考慮してどちらか弄る場合は、フレームレートを優先して、コマ数は減らさず画素数を1段階小さくする方法をオススメします。
HyperSmooth が適用される解像度
Go Pro HERO7 Black・Go Pro HERO8 Black ・Go Pro HERO7 MAXに搭載された、強力な電子式画像安定化機能 (EIS – Electornic Image Stabilization)のHyperSmooth (ハイパースムーズ)。
動きのある撮影でもジンバルを使わずスムーズに動画のブレを補正してくれる機能です。この機能を目当てにGo Proを購入する方も多いのではないでしょうか。
HyperSmoothは、安定化を「オン」にしておくと、解像度とフレームレートの組み合わせで、自動的に適応されます。ハイパフォーマンスの設定や、低い温度の環境で作動しない事もあるようです。Go Pro本体で設定している場合は、画面上部に表示される事で確認できます。
Go Pro のサイトで条件の一覧表があります。
HyperSmooth (ハイパースムーズ) とは
FOV(視野角)の設定
ワクワクした気持ちでGo Proを手にした時、最初にとまどってしまうのがこのFOVの設定かもしれません。FOVとは「視野角」と言い、レンズを向けた先のどの範囲まで撮影できるのか、撮影の範囲の設定ができます。
魚眼無効(リニア)、広角、Superviewの3種類ありますが、アスペスト比を「4:3」にしていると、選べるのは魚眼無効(リニア)、広角の2つになります。
魚眼無効(リニア)とは?
Go Pro本体では「魚眼無効」、アプリでは「リニア」と表記されていますが、同じものになります。
魚眼無効は「広角やSuperviewの眼効果を取り除いた中間視野」です。Go Proの魚眼レンズ特有の歪みが軽減された映像になります。
広角とは?
広角は「フレームいっぱいに撮影する大きな視野角」です。魚眼レンズで撮影したような、広い範囲の撮影ができるGo Proらしい映像になります。
直線が多い場所や、歪みが気になる場所には向きませんが、広大な自然や迫力ある景色の中で撮影すると、一般的なカメラでは表現できない特別な映像が記録できるでしょう。
Superviewとは?
Superviewは「4:3コンテンツをフルスクリーン16:9ショットに引き延ばします。ボディマウントやギアマウントの映像に最適です。」最も広い範囲を映す事のできる視野角です。
「16:9」モードの時に選択ができ「4:3」の設定時には選択できません。
自分の狙う映像を撮影できるようになろう!
Go Proの設定は、本体でもアプリでも簡単にタップするだけで変更する事ができます。設定中に思うように動かない時や、画面が固まってしまった場合は、一度画面を閉じたり、アプリを一度終了させると良いでしょう。
特別な環境の撮影こそGo Proの出番です。どんなモードがあって、どんな時にどの項目を設定すれば良いか知っていると、自分の狙う映像をスピーディに撮り始める事ができるようになります。