これまでもアクションカメラのとしてユーザーに新しい撮影体験を提供してきたGoProシリーズですが、同時発売となる3モデルの違いはなんなのでしょうか。
GoPro HERO7は3モデル
GoPro HERO7は以下の3モデルでのラインナップとなります。(価格は発売当初のもの)
・GoPro HERO7 Black(フラッグシップモデル) 49,800円
・GoPro HERO7 Silver(ベーシックモデル) 37,800円
・GoPro HERO7 White(エントリーモデル) 27,800円
Black | 53,460円 |
---|---|
Silver | 41,480円 |
White | 31,860円 |
値段を見てもわかる通りBlackが最上位モデルとなり、HERO7シリーズの目玉商品となります。
・HERO7 Silverは廉価版
・HERO7 Whiteは入門編
として機能が削られているモデルとなります。
GoPro HERO7はBlackと他の2モデルの間には大きな機能面での差があるので、おすすめとしては圧倒的にBlackです。
GoPro HERO7 Blackの新機能
それではここからはこれまでのGoProシリーズには存在しないGoPro HERO7 Blackならではの全く新しい機能を紹介していきます。
[box02 title=”Blackの新機能”]
・HyperSmoothビデオ
・Time Warp
・SuperPhoto
・ライブストリーミング
[/box02]
残念ながらHERO7 SilverとWhiteには、以下でご紹介する新機能が搭載されていません。
両機種はあくまでこれまでのGoProシリーズのリメイク版と捉えた方が良さそうです。
HyperSmoothビデオで手振れがなくなる?Blackの目玉機能
GoPro HERO7 Blackの最高のアドバンテージは、手ブレがほぼなくなる衝撃的なレベルの手ブレ自動補正機能を備えたHyperSmoothビデオです。
手ブレを補正すると言っても歩きながら、走りながらの撮影のブレを抑えるレベルの話ではありません。
マウンテンバイクで荒地を疾走しても、ジェットコースターで強い衝撃に晒され続けてもほぼブレません。
ぶれるビデオは死んだ
GoPro HERO7 Blackの公式プロモーションビデオでは
「Shaky Video is Dead(ぶれるビデオは死んだ)」
と謳っており、その言葉通り素晴らしいクオリティを見せつけています。
撮影の幅が広がる
ここまでブレないと、これまで撮影を諦めていたようなシーンや場所もカメラを固定さえできれば録画ができるようになるでしょう。
例えば滝壺の中にGoProを設置してもクリアな映像が撮れるでしょうし、ランナーの足に装着しても面白い映像が撮れるかもしれません。
格闘家やサッカー選手に装着するのもありでしょう。
HyperSmoothビデオは動画の撮影できる幅を大幅に広げる素晴らしい機能です。
Time Warp タイムラプス撮影が動きながら可能
GoPro HERO7 Blackの手ブレ補正力はタイムラプス撮影でも存分に活かされています。
これまでのタイムラプス撮影はカメラを定位置に固定して時間の経過を撮影するという用途に使われることが多かったですが、
手ブレが極限までなくなったことにより、カメラを動かしながらタイムラプス撮影をするためのTime Warpという機能が実装されました。
独特の浮遊感のある動画が撮影可能
Time Warpを利用してタイムラプス撮影を行うと独特の浮遊感のある動画を撮影することができます。
時間の経過や場所の移動を立体的に捉えることができ、その浮遊感は「魔法の絨毯に乗っているよう」とも表現されます。
最大で30倍まで再生速度を上げることができるのでコンパクトなのにインパクトのある作品を制作することができるでしょう。
SuperPhoto 細かい設定は不要!ハイクオリティなフォト撮影
GoPro HERO7 BlackのSuperPhotoは、カメラが撮影状況を自動的に検知し、プロが撮ったクオリティの写真を撮影してくれます。
単に撮影モードを自動で設定するだけでなく、ノイズ除去やマッピングなど撮影後の写真編集が完全に不要なレベルの写真が手に入るわけです。
具体的には、明るさに関係なく色彩が非常にくっきり鮮やかに映ること、白飛びや黒つぶれ、ピンボケなどを極限まで排除した写真が撮影可能です。
ライブストリーミング機能 いつでもどこでも生配信
GoPro HERO7 Blackのライブストリーミング機能はソーシャルネットワーク上にGoProで撮影中の動画をストリーミング配信可能です。
今のところFacebook Live対応が発表されています。
・エクストリームな環境で生配信をしている方
・イベント等の実況で、GoProのクオリティの映像を視聴者
とリアルタイムで共有することができる画期的な機能と言えるでしょう。
今後Facebook Live以外の対応も発表されることが予想されますので要注目です。
GoPro HERO7 Blackだけに搭載された従来機能
次に、1世代前のGoPro HERO6には搭載されていた機能で、GoPro HERO7にだけ引き続き搭載された機能をご紹介します。
[box02 title=”Blackに搭載の従来機能”]
・ナイトフォト
・ナイトラプス
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ナイトフォトで夜でもはっきりきれいに撮影
ナイトフォトは光量が少ない夜でも、夜景をはっきりきれいに撮影することができる撮影モードです。
普通のカメラでフラッシュをたくと夜景や花火の美しさが全く伝わらない写真になってしまいますが、
GoProのナイトフォトなら目で見た美しさ以上の感動を写真に収めることができます。
ナイトラプスで夜になってもきれいに経過がわかる
夜に強いGoProの素晴らしさはナイトラプスモードでもしっかり生かされています。
明るさがどんどん変わる夜間のナイトラプス撮影でも、映像のクオリティが下がることなく時間の経過をクリアに撮影することが可能です。
夕方から夜明けまでの時間経過を撮影し続けるのにもナイトラプスなら安心です。
GoPro HERO7全モデルの共通機能比較
さて次にGoPro HERO7全モデルに共通して搭載されている機能のスペックの違いについて紹介していきます。
ここでもBlackの機能が突出しているのが目立ちます。
動画の解像度とFPS
・解像度は画像の縦横の大きさ
・FPSは動画撮影における1秒あたりのコマ数
60FPSだと1秒あたりに60枚の静止画を撮影している状態と捉えればいいでしょう。
当然FPSが高い方が滑らかな映像が撮れるとされ、一般的には60FPS以上あればかなり滑らかな動画になると言われています。
もちろん、他にも様々な要素があるので一概にFPSが高い動画がいいとばかりも言えません。
さて、GoPro HERO7のFPSを比較して見ます。
Black | 4K、60FPS |
---|---|
Silver | 4K、30FPS |
White | 1440p、60FPS |
4K撮影が可能なのはBlackとSilver
HERO7 3モデルの中で4K撮影が可能なのはBlackとSilverのみです。
現状のカメラでは最高クラスの解像度だと考えていいでしょう。
Whiteも一般的なカメラと比べると解像度としてはむしろいい方なのですが、やはりGoProの中では廉価版なんだなと感じてしまいます。
SilverだけFPSが低いのはなぜか
気になるのはSilverだけFPSが低い数値である点です。
4Kの解像度を維持して価格を下げるためにはFPSを削らざるを得なかったということなのでしょうか。
Whiteと比べても半分のFPSなので、撮影時にどう影響が出るのか気になるところです。
GoPro HERO6でも60FPSはあったので、HERO7 SilverのFPSはGoPro HERO5並みということになります。
写真の画素数
画素数が大きければ大きいほど、より細部を捉えた撮影ができます。
これもやはりBlackが突出しています。
Black | 1200万画素+SuperPhoto |
---|---|
Silver | 1000万画素+HDR |
White | 1000万画素 |
Blackは画素数としての数値の高さに比べてハイクオリティな写真に自動で処理をしてくれるSuperPhoto機能が備わっていますのでやはり圧倒的です。
SilverもHDRモードはありますが、これは今時驚くべきことではないでしょう。
Whiteに関してはHDRすらありません。
スローモーション
GoProといえばダイナミックなアクションを撮影した動画を、スローモーションで細部まで観察するのも楽しみの一つです。
この機能に関してもBlackは他の追随を許しません。
Black | 8× |
---|---|
Silver | 2× |
White | 2× |
数値は実際の何倍に引き伸ばした速度で再生できるかということです。
Blackの8×だったら例えば5秒の動画を40秒にまで引き伸ばして再生できるということです。
ものすごい高画質でスーパースローモーション撮影ができるということですので、一瞬の出来事を細部まで観察する頃ができます。
SilverとWhiteも別に機能的に悪いわけではありませんが、Blackと比べてしまうと勝負になりません。
音声起動
GoPro HERO6で搭載されていた音声起動(電源を切って最大8時間以内は音声でカメラの電源をつけられる)はGoPro HERO7ではBlackにしか搭載されていません。
操作性の面でもやはりBlackはプレミアムなようです。
フロント液晶
GoPro HERO6で搭載されていたフロント液晶も、HERO7ではBlackのみの搭載です。
バッテリー
GoPro HERO7ではBlackだけバッテリーの着脱ができます。
つまりバッテリーを複数充電して入れ替え、長時間の使用をする前提で作られているということです。
SilverとWhiteはバッテリーの着脱ができないため電池切れを起こした場合コンセントがないと使い物にならなくなります。
野外での撮影に備えてモバイルバッテリーの購入を検討したほうがいいでしょう。
やはりBlackが圧倒的
こう比較すると明らかにBlackに高機能を寄せた感じが伝わってきます。
もちろんSilverやWhiteもアクションカメラとしての性能はむしろ高いです。
価格的にも一番下のランクのWhiteと最上位のBlackを比べると2倍近く開きがあるため、ある意味当然の設定といっていいかもしれません。
どういう場面でGoPro HERO7を使うか
GoProの公式ホームページを見ると「驚異的に滑らかなビデオ」とのキャッチフレーズでGoPro HERO7が紹介されています。
すでにいくつかテスト使用をした動画がyoutubeにアップされていますが、
やはりそれを見る限りHyperSmoothビデオとTime Warp機能がインパクトを持って捉えられているようです。
特にエクストリームスポーツのプレーヤーたちからの期待感が伝わってきます。
動きながらの撮影で力を発揮する
テスト動画の中ではGoPro HERO7 Blackを片手で持って街中を歩きながら撮影したもの、
ヘルメットにGoPro HERO7 Blackを装着しオフロードをマウンテンバイクで走りながら撮影したもの、
GoPro HERO7を片手に持って山岳地帯をランニングしながら撮影したものなどがあります。
ジンバル泣かせの滑らかな映像
従来のカメラであればまともな撮影はほぼ無理であろう不安定な環境での撮影ですが、驚くほどブレません。
手に持って街中を歩いた動画は片手とは思えない安定感ですし、オフロードの動画は岩がゴロゴロしている山道を走っているとは思えません。
流石にジャンプして着地をするときは画面が揺れますが、それもブレてるというよりは単に振動しているといった感じで視点は動いていません。
ランニング動画に関してはあまりにもブレないので、まるでドローンか何かで追尾しているようにも見えます。
GoPro HERO7 Blackに搭載されたHyperSmoothビデオの機能は、エクストリームスポーツや不安定な状況下での撮影をより豊かなものにするでしょう。
見る方もストレスが少ないため楽しさや迫力が伝わりやすく、長時間動画を眺めることが可能になります。
長時間、長距離を移動するような撮影で力を発揮する
また、こういったエクストリームスポーツやモータースポーツなどでは長時間、長距離を移動することがよくあります。
前述のオフロードバイクもそうですし、ツーリングやドライブ、登山やマラソンなど、撮影し続けた画像をギュッと凝縮したいこともあるでしょう。
しかし、場面場面を切り取って編集したんではリアリティや迫力がなかなか伝わりません。
そこで効果を発揮するのがGoPro HERO7 BlackのTime Warpです。
システマチックな動画
Time Warpは手ブレがほとんどなくなったGoPro HERO7 Blackだからこそ実現した非常に滑らかなタイムラプス撮影の一種です。
視点は変わらず風景がどんどん後ろに流れていくような映像が時の流れを感じさせます。
高速再生すると時が経つにつれて雲が流れて空の色が変わり、景色はどんどん変わっていきます。
非常に美しくかつシステマチックな動画となるのです。
ライブストリーミングで共に旅をする
Time Warpももちろん素晴らしいですが、リアルタイムで動画を共有するライブストリーミングの機能もエクストリームスポーツではニーズがあるでしょう。
生中継を行う上では映像の編集はできませんから、撮影している時点でハイクオリティなGoPro HERO7 Blackの動画であれば安心です。
現在のところFacebook Liveが公式に対応が発表されており、Youtubeやツイキャスあたりも対応しているようです。
スポーツ以外ではどのような場面で使えるか
もちろんエクストリームスポーツ以外でもGoPro HERO7のポテンシャルは十分発揮することができます。
やはり手ぶれが発生しないというのが非常に便利です。
カメラを構えてピントを合わせてという動作を全部省略することができるわけです。
SuperPhoto機能が細かい設定なしでその環境下での最高の写真を撮影してくれるので、細かいことを考えずにシャッターを押すことができるというのが大変手軽です。
旅行シーン
旅行中の記録映像にもポテンシャルを発揮します。
建造物などを撮影するのに正面から撮るだけではなくてTime Warpを使うことによって立体的な映像を作成可能ですし、
GPS機能と組み合わせることで後々旅の思い出をブログなどで公開する場合も、
マップと紐づけた振り返り方ができるようになります。
ナイトシーン
GoPro Hero7 Blackであればナイトフォトやナイトラプスの機能も備えているので、夜の町の観光を撮影するのにもストレスがありません。
暗いところでも景色をはっきり感知して美しい映像を撮影することが可能です。
夜景や花火、テーマパーク、イルミネーションなど、実際に目で見た以上の美しい映像を撮ることができます。
映像の美しさを最大限に引き出すポテンシャルを持っているのがGoPro Hero7 Blackです。
結局GoPro HERO7 Blackじゃないとダメなのか
「ここまで出た話ってほとんどBlackについてのものばかりで他のSilver、Whiteについての魅力があまり伝わってこない」
と思う方も多いでしょう。
実際のところスペックの差がありすぎてBlackと比較してしまうとなかなかSilver、Whiteののメリットを見つけるのは難しいです。
これはやはりBlackのスペックがそれだけ優れているということなのです。
しかもBlackは、一世代前のGoPro HERO6 Blackと比べて価格的にも1万円ほど安くなっています。
購入もしやすくなったためここはやはりBlackを購入した方が間違いなくお得です。
とはいえSilverとWhiteにもいいところはあるはずですので、考えていきます。
Silverはスペック的にはHERO5に近い
実はSilverは二世代前のGoPro HERO5と比べてもダウングレードした部分があります。
例えば画素数、連射した場合のFPSはHERO5の方が上ですし、HERO5はバッテリー交換もできました。
それでいて価格はSilverの方がGoPro HERO5よりも高いです。GoPro HERO5が35,000円ですから、Silverの方が7,000円近く高価になります。
Whiteはスペック的にはHEROに近い
Whiteは廉価版のGoPro HEROにスペック的には近いです。
こちらに関してはHEROをアップグレードしたと言って良さそうです。
あくまで廉価版のHEROと比べてですが動画と連射のFPSは上がっていますし、Silverにも搭載されている縦向き撮影、フォトタイマーも搭載されています。
しかし、HEROにあった自動低光量の調整機能は無くなっています。
価格はHEROが29,000円でしたから1,000円くらい安くなっています。
こう考えてみると、あくまで近いモデルを比較した場合ですがWhiteの方がお得感はあります。
SilverとWhiteの違いを比べてみると、動画解像度、写真の画素数、HDR撮影、GPS機能がついているSilverはなんだかんだスペックは高いといえます。
しかし、Blackに備えているような今回の新作の肝となる機能を一切備えておらず、しかも値段が高いとなると正直Silverにはあまり購入のメリットを見出せません。
むしろWhiteであれば初心者や、Blackを購入するほどの予算はない層におすすめしやすいです。
中途半端にSilverを買うよりはBlackかWhite、もしくはHERO6や5など前の世代のGoProを購入する方がいいです。
GoPro HERO7のバッテリーについて
GoPro HERO7のSilverとWhiteはバッテリーを取り外すことができません。
Blackは着脱可能ですし、HERO6 HERO5 Blackのバッテリーと同じ製品ですので、流用することが可能です。
気になるのはバッテリーの保ちです。
特にGoPro HERO7 Blackでは音声起動の機能があり、電源オフにしてから8時間以内は声でGoProを起動させることができます。
便利なのですが、電池の減りが早いのではないかという心配の声は聞こえてきます。
バッテリー対策はこれまで通り必要
また、ハイスペックになったTime Warpや高スペックのSuperPhotoがどれだけ電池を消耗するのかも気になります。
もしかすると、SilverとWhiteはバッテリーが入れ替えられない分、電池の消耗が多少抑えられているということがあるのかもしれません。
Blackはハイスペックな分消耗が早いと考える方がいいでしょう。
GoPro HERO7 Blackを使用する場合、長時間の撮影を前提とする場合がこれまで以上に増えそうですので、バッテリー対策はこれまで以上に必要になってくるかもしれません。
予備バッテリーをフルに充電して複数用意しておく、外付けのモバイルバッテリーを持ち歩くなどの準備をしておきましょう。
GoPro HERO7の耐久性
GoPro HERO7の3つのラインナップはこれまでのGoProと同じように優れた耐久性を誇ります。
ハウジングがない状態で水深10mまで耐えられますし、衝撃にも非常に強いです。
そう簡単に壊れることがなく、過酷な環境で使用しても結構耐えられますので、投げたり振り回したりと大胆な撮影方法を試してみても大丈夫です。
水中ではライブ配信が不可能
ちなみに水中での撮影に関しては、GoPro HERO7 Blackであってもライブストリーミング機能は使えません。
電波が届く場所である必要がありますし、スマホを介して配信を行うため、濡れたらまずいスマホは水場で使用しづらいでしょう。
ですので、サーフフィンやボートなどでもライブストリーミングは難しい可能性があります。
GoPro HERO7 Blackは注目のアクションカメラ
GoPro HERO6の時点では「手ブレ補正に関しては他社製品の方が優れている」
といった意見もあり、アクションカメラといってもGoProが最高とは限らないという風潮も生まれつつありました。
しかし今回のGoPro HERO7の発売は「やっぱりGoProだよね」という流れを生む可能性が高いでしょう。
「Shaky Video is Dead(ぶれるビデオは死んだ)」、「驚異的に滑らかなビデオ」というキャッチフレーズをぜひその手で体感してみてください!
GoPro HERO7 Blackをおすすめします。
・GoPro HERO7 Black(フラッグシップモデル)
・GoPro HERO7 Silver(ベーシックモデル)
・GoPro HERO7 White(エントリーモデル)